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表札で家の印象が決まる
一般的に、一戸建ての家であれば表札が掲げられているのはよく目にする光景です。表札は訪れる友人や来客が一番最初に目にする部分なので、その家の印象を決定づける非常に重要なものですね。
最近では、引っ越しや新生活を機に、外観や雰囲気に合わせてさまざまな色や大きさなど趣向を凝らしたお洒落なデザインの表札も多くなってきました。
そこでこの表札ですが、風水では
たとえ一人暮らしでも玄関には表札をつけるべきだとしています。
表札がないと「主人不在」を意味し、どんなに部屋のなかを綺麗に掃除していても、入り口である玄関から運気が入って来ないので、運気が下がってしまうとされています。
また、門や玄関に掲げる表札は、原則的に向かって
右側に掲げるのがお約束ですね。
家だけではなく、企業や学校、お役所の看板も
通常は向かって右側に掲げられているのが普通です。
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表札はなぜ右側なのか
ではなぜ、表札や看板は右側に掲げるのが一般的になったのでしょうか
これは、中国の風水といわれる陰陽五行説の教えに由来します。
風水の考えでは、門や玄関に向かって右側が上座に当たるからであり
表札や看板は外から見て右側(上座)に掲げるのがよいとされています。
風水による陰と陽
古代中国の陰陽五行説によると、この世の万物は
相反する二種類の「陰」と「陽」で成り立っているとされます。
たとえば、「日」は陽であり、「月」は陰。
「上」が陽で、「下」が陰。
同じように、「左」が陽で「右」が陰となる。
そこから、陽の左側を上座とし、「左側」に表札を掲げるようになりました。
といえば、「あれ、左右反対でアベコベではないか!」と思われますが
それは、家の中から見た左側で、戸外から玄関や門に向かえば右側となります。
なるほど、そういう理由があったんですね。
方角によっては逆もアリ
しかし、門や玄関のある方角などによっては
その逆側(左側)に掲げる場合もあるようです。
方角による効果のある設置場所の例。
・北の玄関:ドアの右に表札をつける
・東北、あるいは東の玄関:ドアの左に表札と外灯をつける
・南西の玄関:ドアの右に表札と外灯をつける
・東南の玄関:外灯の代わりに、表札の下に花の鉢植えを置く
・南の玄関:表札にスポットライトをつける
・北西の玄関:表札の下に観葉植物を置く
・西の玄関:ドアの左に大きめの表札をつける
とはいえ、基本的に表札の位置は
家の中から見て左側に掲げて、目線よりもやや高めの約1.8mの高さが
最も運気が上がる最適な設置位置だとされています。
表札を掲げるようになったのは?
日本での、表札を掲げる習慣は明治から大正にかけて
広まったといわれています。
明治4(1871)年に郵便制度が始まり、その4年後の明治8年には
すべての日本国民に苗字を名乗ることが義務付けられました。
そんな中で、その家に住む住人が誰だかわかるように
表札が掲げられるようになり、やがて郵便配の管理における利便性の
向上のために表札が普及していったと言われています。
またもう一つの理由として
大正12(1923)年の関東大震災の影響も考えられています。
これは、震災で倒壊または破損した家屋などの立て直しが進んだり
人々の住む場所が変わってしまったりしたために
住民の所在が明確に分かるように表札が必要になったという
経緯もあるようです。
日本では、このような理由から表札をかかげることが一般的に広まり
表札は玄関や門から見て右側にかけられるようになりました。
最近の表札事情
しかし最近では、少し事情が変わってきたようで
表札をださない家庭も多くなりました。
これは、表札もひとつの個人情報になることから
セキュリティーやプライバシー保護という考えが挙げられます。
表札から名前を知られてストーカー被害に合われるケースもあることから
- 名前などの個人情報は出したくない。
- 最近目立っている悪徳業者や各種の詐欺による
被害に巻き込まれたくない。 - 無用な押し売りやセールスにつかまりたくない。
といった意識が強まっていることが挙げられるのではないでしょうか。
今や、時代は個人を知るから、個人(の情報)を守るといった
流れに変わってきていると思います。
特にマンションなどでは表札を出さないケースが
今後も多くなっていきそうです。
欧米では
ちなみに、アメリカやオーストラリアでは
家の前に表札を掲げないのが一般的なようです。
その代りに、各家にはハウスナンバーと呼ばれる番号が掲げられています。
これは、日本でいうところの住所や番地のようなもので
このハウスナンバーで郵便物の配達なども管理されているため
特に名前を出す必要がないのだそうです。
様々な場面で、世知辛い世の中が進み
いずれは日本もそうなってしまうのかと思うと
またひとつ日本の文化が消えてしまうようで、なんか淋しいような気がします。
画像出展:表札.com
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