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忘れない童謡
子供の頃に学校で歌った童謡、親に歌ってもらった懐かしい歌はなぜかいつまでたっても忘れることはないですよね。大きくなってほとんど歌うことはないのに、歌えといわれれば自然とメロディーと歌詞を口ずさむことが出来ます。
しかしあの頃、何気に歌った歌詞を今思い浮かべると、あの歌詞の意味はなんだろとふと思ったことはありませんか?
そして、その意味を知ると愕然とする場合もあります。
今回はそんな童謡の歌詞に込められた本当の意味を3つ紹介します。
花いちもんめ
歌詞に隠された悲しい話
昔、この歌で遊んだこともあるという人も多いのではないでしょうか。
そんな馴染みの深い童謡の「花いちもんめ」ですが、昔の子供たちはこの歌を口ずさみながら「あの子が欲しい~」「この子が欲しい~」「勝ってうれしい花いちもんめ~」と素朴な遊びを楽しんでいたものでした。
しかし一説には、この愛らしい雰囲気とはうらはらに、この童謡の歌詞のテーマは、貧乏な家の子供が口減らしの為に、女衒に一匁(もんめ)で買われていく人身売買の様子を歌ったものと解釈されることがあります。
まず、題名にある「花」は娼婦のことであり、「あの子が欲しい~」は女衒が可愛い娘を欲しがっている様子のことだったのです。
また、「もんめ(匁)」とは、当時の貨幣を表していて、貨幣としての銀の重量を表す単位でもありました。※一匁(いちもんめ)は約3.75グラム程度。
「勝ってうれしい~」は「(娘を)買ってうれしい~」という意味で、たったの一匁で娘が安く買えたという女衒の気持ちであり、「負けて悔しい~」は、売り手、つまりは親が「値段をまけられて悔しい~」という気持ちを表した、悲しい歌だったといわれているのです。
歌詞の意味
買って嬉しい花一匁 (子供が安く買えた。嬉しいねぇ)
負けて悔しい花一匁 (わが子が値切られてしまって悔しい)
隣のおばさんちょいと来ておくれ
鬼が恐くて行かれませんよ (子買いが恐くて外に出られないんです)
お布団かぶってちょいと来ておくれ
お布団ボロボロ行かれませんよ
お釜かぶってちょいと来ておくれ
お釜底抜け行かれませんよあの子が欲しい (あの子を売ってくれ)
あの子じゃ負からん!(あの子はいなくなると困る。だから負けられない)
その子が欲しい (それならばその子を売ってくれ)
その子じゃ負からん!(その子もいなくなると困る。だから負けられない)
相談しよう
そうしよう
主に若い女性を買い付け、遊郭などに売りつけて性風俗関係の仕事を強制的にさせる、いわば人身売買のブローカーのような輩のことをいいます。明治時代に人身売買が禁止された以降も存在していたが、戦後の昭和34年になって「売春防止法」が施行され、やっと姿を消したといわれています。
ずいずいずっころばし
茶壷に追われて~ってどういう意味?
この童謡には、諸説ありますが代表的なのは、江戸時代に行われていた幕府の伝統行事を批判した風刺歌だったという説が有力です。
一説には性的な不純異性交遊を表す戯歌だったという説もあります。
有力とされている風刺歌というのは、江戸時代に行われていた幕府の伝統行事「お茶壷道中」に由来しています。
当時、宇治(京都)の一番茶が、将軍家の使者によって持ち込まれた茶壷に入れられ、大切に運ばれて、江戸の将軍家に献上されていました。
それが「茶壷道中」という行事でした。
「茶壷道中」は当時の最重要行事とされていて、江戸へ向かう道中(東海道)には庶民はもちろん、大名でさえ立ち入ることは許されず、「茶壷」の行列を妨げる者は厳しく罰せられ、その場で首をはねられても「切り捨て御免」という、その格式の高さは凄まじいものでした。
また「茶壷道中」の間は、東海道沿いの田畑の耕作も禁じられ、街道沿いの住民には道の掃除まで強要されていました。
そのため、沿道の人々は行列が近づいてくると、追われるようにして家の中に逃げ込み、あるいは行列には近づかないよう息をひそめ、行列が通り過ぎるのをじっと待っていたのです。
お茶への思い入れの強かった将軍家の趣向に、無理やり付き合わされている庶民の不平不満は高まり、その様子を歌にしたのが「茶壷に追われて~」であり、「ドッピンシャン」は家の戸をピシャっと閉めるという意味だったといわれています。
性的戯歌説
元ネタは「伊勢物語」とされていて、「ずいずいずっころばし」と歌われる以前には原型の歌があり、「ついついつっころばし こまいしょつい 茶壷に追われて ドッピンチャン ~・・・」が訛ったものだとされています。
後の歌詞はほとんど変わりませんが、まず歌詞の意味としては「ついついつっころばし こまいしょつい」は若い男女がイチャイチャする様子を表しており、「茶壷に追われて」の壺は女性そのものを表し、「ドッピンチャン」は男女の行為そのものを示しているのだと言われています。
「抜けたらドンドコショ」の抜けたらとは、「刺したら」という意味になり、「ドンドコショ」は騒ぎだすを表しています。
「ねずみが米食ってチュウ」のねずみは、当時「女郎」や「遊女」を示す隠語であったため、歌詞にある「ねずみ」は、イチャイチャ相手の女性のことでした。
米食っての元歌は「泡食って」だったと言われており、そしてチュウは「よがり声」で、つまりは「男女がイチャついて、行為に及んだら女性が泡を食ったような顔で、よがっている」という意味に捉えられているのです。
そして、男女がお楽しみの最中は、親が呼んでも聞き入れてはくれないということになるんですね。
「井戸の周りで…」親に反抗して勝手なことをしているの誰だと、そんな若い男女の軽率な行為を憂いた、戒めの歌だったと言われています。
おお牧場はみどり
もともとはエッチな歌だった
おお牧場はみどり~♪という唱歌は、日本では明るくさわやかな歌として知られ、子供合唱団の定番曲の一つになっています。
ところが、原曲がスロヴァキア民謡のこの曲は、かなりエッチな内容の曲で、今では現地でも聴くことはありません。
1970年に来日した当時のチェコスロヴァキア国立舞踊合唱団は、主催者側の申し入れでこの曲を歌ったことがあるが、メンバーは戸惑いを隠せなかったという。
原曲は、緑の牧場で、草刈りに疲れて泣いている貧しい娘をもてあそぶため、好色な若殿が馬で駆け付けるという内容です。
原曲の歌詞の訳詩
広い緑の牧場には、草が青々と生えている。
山から流れ出す 私のように清らかな水が
モミジのまわりを、私のまわりを流れていく。
草を刈る二人の娘さんが 悲しそうに泣いていた。お城からそれを見ていた若殿さま、馬丁を呼んで言うことにゃ、
“これ、馬の用意をせい、戦いに出るのじゃ”
“鉄砲に弾丸をこめてもないのに、どうなさりますだね”
“あそこの小鹿をうつんじゃ、あの18歳の娘ッ子をな”
オーストリア・ハンガリー帝国時代
若い娘を召し上げる好色な領主を風刺する歌でした。
その曲が、19世紀末、移民とともにアメリカへ渡り、レクレーションソングとして広く歌われるようになり、戦後、YMCAの歌集に加えられ、日本に伝えられました。
そして、1961年にスタートしたNHK「みんなのうた」で取り上げられ、広く知られるようになりました。
なお、現在のスロヴァキアでは、タイトルは「真っ赤に燃える菩提樹」と改められ、歌われている歌詞も健全な内容の歌となったようですが、それでも現地ではあまり歌われてないといわれています。
おしまいに
いかがでしたか?
こうしてホントの意味を知ると「えっ!」と驚いてしまいますね。
これからは、チョット歌いづらくなってしまったかもwww
ということで、今回は意外に知らなかった3つ童謡の歌詞の意味を紹介しました。
また次回に、面白そうな話題があれば紹介したいと思います。
それでは、また次回まで…
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