沖縄のうわさ話/シーミー(清明祭)
旧暦2月の後半から3月の清明の節に行われるシーミーは、門中一族でお墓参りをする先祖供養を行う沖縄の三大行事のひとつである。
料理を詰め込んだ重箱をはじめ、餅やお菓子、果物、お酒などを持ってお墓に出かけ、お墓を清めた後に、お酒や料理を供えてみんなで手を合わせる。
その後で、供えた料理をみんなで楽しむが、その様子はまるでピクニックのようだ。
普段はなかなか会えない親せきに会える機会でもあり、久しぶりの顔合わせにお墓では会話が弾み笑い声が響く。
画像出展:OKINAWA CLIP
ムンチュー(門中)
強いきずなで結ばれた父系の血縁集団!
門中とは、主に同じ先祖を持つ父系の血縁集団のことで、琉球王府時代に士族階層を中心に発達し、次第に庶民の間にも広まった制度といわれる。
ムートゥヤー(宗家)とユダチ、ワカリと呼ばれる分家で構成され、定期的に先祖に対するさまざまな祀りごとを行う。
門中のビッグイベントのひとつである清明祭(シーミー)には、大規模な門中の多い本島南部地域の場合、門中墓周辺の草刈りや樹木の伐採など、男性たちが総出で土木工事さながらの大掛かりな清掃作業の光景も見られる。
また、自分たちの属する門中墓以外にも先祖のルーツにあたる古い墓など、いくつもお参りすべき墓があることも多く、この時期になると墓参りのために北へ南へと丸一日を費やすことも珍しくない。
その様子からは門中が今なお多くの子孫たちに盛り立てられていることがわかる。
名乗頭(なのりがしら)
家族や親戚で同じ漢字が男性の名前の最初に使われていたら、その先祖は士族であることが多いといわれている。
これは17世紀ごろ、士族の各一門ごとに名乗頭と呼ばれる決められた漢字を名前の最初の一文字につけたことに由来する。
性と名乗頭をワンセットとした系統で、一門や先祖のことまで辿ることができる。
引用:沖縄タイムスカレンダー:沖縄の風習12景