ミニMKⅡは、67年11月からリリースされ、MKⅠ時代にウィークポイントとされていた最小回転半径が13%減少。
ステアリングのラックエンドピニオンのギヤが25Tから15Tとなり、位置もオフセット。加えてステアリングにウインカー、ホーンとディマー併用のマルチレバーを採用し、ブレーキもシリンダー径の変更が加えられた。
こうしたメカニズム改善に加えて、エクステリアも一新されたことでMKⅡの見分けは容易になった。
MK Ⅱ 1967 – 1969
ボディとしてはリアウィンドウが38mm拡大され、テールランプが大径化。
形状も楕円から角形になり視認性を向上させた。
フロントエンドのボンネットはいかにもグリルを存在させない角状クロームモールを外周に配したものだ。グリルはオースチンが10本の水平細クロームモール。モールは縦12、横8穴プレスドリルとなり、両車ともボンネットエンブレムは円形に統一された。
クーパー系はきめ細かく差別化の図れたMkⅠに対して、全車か8本の水平モール構成となり、ボンネットバッジはクパーが逆三角形、クーパーSが楕円に統一されている。エンジンはクーパー以外のモデルに998ccが追加され、クーパは1.275ccのみとなった。
形はミニのままだが、走りの性能はあくまでハードであり、当時間違いなくサーキットに最も近い市販車の1つであった。クーパーSはMKⅠ時代には970、l,071、1,275ccと3種類のエンジンがラインナップされていたのに対して、MKⅡでは1,275ccのみに絞られている。
なお気になるインテリアだが、スピードメーター表示はスタンダード系90マイル/150km/h、クーパー1000系が100(105)マイル/170knl/h、1275系は130マル/200(210)km/h
オーバル形状の3連装のセンターメーターは、MKⅠから変更を受けずに受け継がれ、今もなおこのメーターに憧れを抱き、アフターパーツとしてレプリカを製作するエンスージアストは多い。
また、2本スポークハンドルもそのまま受け継がれ、シートの形状はMKⅠからごく僅かではあるが変更を受けている。
シートベルトも標準化され、ヒートシールド入りリアウインドウ、ラミネートウインドウなどもオプションで用意されていた。
MKⅡは67〜69年まで生産され、マイナーチェンジを経てMKⅢへと進化していく。
揺るぎない存在としての地位を確立したミニMKⅡスポーツミニの最高峰に位置するのがSシリーズのクーパである。
スペシャルモデルとして、そのほとんどが手造りで生産されていたと言われ、台数はごく少ない。したがって、ボディ仕様や細部が量産車のモデルチェンジと必ずしも一致していないのが興味深い。
MKⅠの特徴でもあったアウトヒンジはそのまま継承され、エンブレムは楕円形状になりシンプルながら、ホットモデルとしてのプライドを誇示するかのごとくボンネット中央に鎮座する。
MKⅠとの細かい差異として、フロントグリル、テールランプ、ハンドル周り、ナンバープレートホルダーなどが挙げられる。
ツインキャブレター仕様となる1275-Sのエンジンは、最高出力 76ps/6,000rpm、最大トルク 19.93kg-m/3,000rpm とハイパフォーマンススペックを誇る
MKⅡモデルの特筆すべき点は、’68年に待望のフルシンクロミッションが装備されたことだ。その他にもワイパーモーターが強化され、より丈夫な仕様へと変更を受けたのだ。そんなMKⅡもミニ・クラブマンヘの統合の流れに逆らえずご69年には生産中止となってしまうのだ。
参考資料
MINI MASTER BOOK
この記事は、上記の書籍を参考に一部抜粋して引用しました。
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